100点を目指さない勇気

設立1周年を迎えて

今年度の終わりに。

制度を越えて学ぶということ。

SFC修行を始めた。

旅立ちの前に、灯台を思う。

現場が教えてくれたこと

2026年6月、院内SPD(Supply Processing and Distribution)の運用を開始しました。

約一年にわたり準備を進め、棚卸表、購入実績、部署ごとの定数表を一つひとつ確認し、ようやくスタートラインに立つことができました。

しかし、運用を始めて改めて感じたことがあります。

それは、「現場は、想定どおりには動かない」ということです。

運用開始前には、「すべてのマスターを完璧にしてから始めるべきではないか」という意見もありました。

その考え方も間違いではありません。

一方で、どれだけ時間をかけて資料を作り込んでも、実際に運用を始めると新たな課題は必ず見つかります。

実際、各部署の棚卸表や運用品には、これまで誰も気付かなかった記載漏れや運用の違いがありました。

これは失敗ではありません。

むしろ、現場で運用を始めたからこそ見つけることができた改善点です。

業務改善とは、完成した仕組みを導入することではなく、運用しながら育てていくことなのだと改めて実感しました。

そして、もう一つ大切だと感じたことがあります。

それは、「改善は一人ではできない」ということです。

医師、看護師、事務職員、SPD担当者、メーカー、そして医療機器管理科。

それぞれの立場から寄せられる意見には、すべて意味があります。

時には考え方の違いから議論になることもあります。

しかし、その議論こそが、より良い運用を生み出す原動力になります。

ToriLabが目指しているのは、「正解を教える会社」ではありません。

現場に入り、課題を見つけ、現場とともに考え、改善を積み重ねること。

その積み重ねが、安全で持続可能な医療につながると信じています。

SPDの運用は始まったばかりです。

これからも現場の声に耳を傾けながら、一歩ずつ改善を続けていきます。

WHY-T?

改善とは、完成した仕組みを導入することではない。
現場とともに育て続けることだ。

100点を目指さない勇気

2026年5月、ToriLabは設立から1年を迎えました。

この一年を振り返ると、多くの出会いと挑戦がありました。そして改めて実感したことがあります。

それは、「最初から100%を目指さない」という考え方です。

現在携わっている院内SPD運用でも、完璧な仕組みを作ってから始めるのではなく、まず運用を開始し、現場の声を反映しながら改善を重ねていくことを大切にしています。

もちろん医療において安全性は最優先です。しかし、改善を止めてしまうほどの完璧さを求めれば、新しい仕組みはいつまでも動き出せません。

小さく始め、課題を見つけ、改善を繰り返す。

その積み重ねが、やがて100%に近づいていくのだと考えています。

ToriLabも同じです。

設立から一年。まだ完成した会社ではありません。しかし、現場から学び、現場とともに改善を続ける姿勢だけは変わりません。

これからも、一歩ずつ前へ。

WHY-T?

100%を待つのではない。
100%へ近づけるために、まず一歩を踏み出す。

設立1周年を迎えて

おかげさまで、ToriLabは設立から1年を迎えることができました。

この1年は、事業を大きく拡大することよりも、「ToriLabは何を目指す会社なのか」を考え続けた一年でした。

医療機器管理、SPD、医療安全、業務改善――。

現場には、教科書やマニュアルだけでは解決できない課題が数多くあります。そして、その答えは会議室ではなく、日々医療を支える現場の中にあることを改めて実感しました。

この一年を通じて、多くの方々との出会いにも恵まれました。

医療現場で働く皆様、業界関係者の皆様、地域で活動されている方々。それぞれの立場からいただいた言葉や経験は、ToriLabの理念を育てる大きな力となりました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

私たちが目指すのは、仕組みだけを提案する会社ではありません。

現場に足を運び、課題を共有し、ともに考え、ともに改善を積み重ねる。

その積み重ねが、安全で持続可能な医療につながると信じています。

設立から1年。

まだ実績よりも挑戦の方が多い会社です。しかし、この一年で得た経験と、多くの皆様との出会いは、ToriLabにとって何よりの財産です。

これからも現場から学び、現場へ還元するという姿勢を大切にしながら、一歩ずつ歩みを進めてまいります。

今後ともToriLabをよろしくお願い申し上げます。

合同会社ToriLab
代表社員 白鳥 良太郎

移動が目的から学びへ

2026年4月、ANAプラチナサービスの条件を達成しました。いわゆる「SFC修行」と呼ばれる活動ですが、振り返ってみると、一番の収穫はステータスではありませんでした。

沖縄本島や宮古島、石垣島を何度も訪れる中で、地域によって医療を取り巻く環境が大きく異なることを実感しました。物流、人材、医療資源など、東京では当たり前と思っていたことが、地方では決して当たり前ではありません。

医療機器管理やSPDに携わる立場だからこそ、「現場を知ること」の重要性を改めて感じています。机上で考えるだけでは見えない課題は、現地へ足を運び、人と話すことで初めて見えてきます。

飛行機に乗ることが目的だった修行は、いつしか地域医療を学ぶ時間へと変わっていました。この経験を、ToriLabが目指す地域医療支援や業務改善へ、少しずつ還元していきたいと考えています。

Why-T?

移動は、距離を縮めるためだけのものではない。
人と出会い、現場を知り、新たな価値を見つけるための一歩でもある。

今年度の終わりに。

― 設計を積み重ねた一年 ―

今年度が終わろうとしている。

振り返れば、大きな改革があったわけではない。
劇的な変化があったとも言い難い。

だが、確かに“設計”は積み重なった一年だった。

属人化を言語化し、
責任体制を可視化し、
更新の意思決定を問い直し、
人手不足を構造で捉え直した。

小さな変更は、目立たない。
しかし、それらは確実に
組織の回り方を変えている。

制度を越えて学び、
視点を広げ、
問い続ける姿勢を保つこと。

それもまた、設計の一部である。

組織は一気には変わらない。
だが、問いを持ち続ける限り、
止まることはない。

今年度、変えられたものは
決して派手ではない。

だが、変わらなかったものもある。

安全を守ること。
構造で考えること。
Why-T?と問い続けること。

それらは、これからも変えない軸である。

年度の終わりは、
成果を誇る時間ではなく、
設計を整える時間かもしれない。

Why-T?

私たちは本当に、
一年を「数字」だけで評価していないだろうか。

設計の積み重ねこそが、
次年度の出発点になる。

制度を越えて学ぶということ。

― 医療の外側に立って見えたもの ―

今年度、私は食品衛生責任者の資格を取得し、介護職員初任者研修を修了した。

医療機器管理や病院経営を考えている立場から見れば、
一見、遠回りのようにも思えるかもしれない。

だが、あえて“医療の外側”に立ってみたことで、
見えてきたものがある。

医療、介護、福祉、そして食。
制度上は分かれているが、利用者にとっては連続した生活である。

退院後の生活はどう設計されているのか。
介護現場はどのような制約の中で回っているのか。
安全は、どの視点で守られているのか。

病院の中だけを見ていては、
気づけない構造がある。

食品衛生もまた、安全設計である。
事故を防ぐための基準、記録、責任体制。

医療安全と本質は変わらない。

制度は縦割りで設計されている。
だが、現場は横断的に存在している。

その間に立つ視点を持たなければ、
本当の意味での“接続”は設計できない。

資格取得は目的ではない。
視座を広げるための手段である。

医療の中だけで完結する設計は、
いずれ限界を迎える。

制度を越えて学ぶことは、
構造を立体的に理解することにつながる。

Why-T?

私たちは、
自分の専門領域の内側だけで
答えを探していないだろうか。

設計は、ときに外側からしか見えない。

Why-T?は、なぜ問い続けるのか。

― 設計思想の原点 ―

Why-T?

その問いは、特別な言葉ではない。

「なぜ?」と問い直すこと。
それだけのことだ。

だが、組織の中で
この問いが発せられる機会は、意外と少ない。

前例があるから。
昔からそうだから。
忙しいから。
問題になっていないから。

理由はいくらでも見つかる。

問いを止めることは、
安定を保つことに似ている。

しかし、問いを止めた瞬間、
設計も止まる。

Why-T?という言葉には、
二つの意味を込めている。

Why?―― なぜそうなっているのか。
T ― それはTransform、Theory、ToriLab。

問いは、変革の起点であり、
理論の出発点である。

属人化は、なぜ生まれるのか。
人手不足は、本当に人数の問題か。
更新は、年数で決めてよいのか。
医療安全は、誰が守るのか。

これまで投げかけてきた問いは、
すべて設計へとつながっている。

問いは、批判のためにあるのではない。
責めるためでもない。

構造を理解し、
より良い形を描くためにある。

Why-T?は、
答えを急がない。

問い続けること自体が、
設計思想の根幹だからだ。

組織は、問いを持つ限り変わり続ける。

逆に言えば、
問いを失った瞬間、
変化も止まる。

Why-T?

なぜ私たちは、
忙しさの中で問いを後回しにしてしまうのだろうか。

設計は、
問いからしか始まらない。

医療機器管理科は、なぜ今必要か。

― 2026年問題を前に ―

2026年。

診療報酬改定、物価高騰、人件費上昇。
医療機関を取り巻く環境は、確実に厳しさを増している。

病床数の議論。
地域医療構想の進展。
人手不足の深刻化。

変化は外側から押し寄せている。

だが、外部環境だけが問題なのだろうか。

医療機器は、病院の中核を支える資産である。
しかしその管理は、部門業務として分散され、
経営と十分に接続されていない場合が少なくない。

点検は行われている。
修理も対応している。
更新も順次進めている。

それでも、
構造として最適化されているかと問われれば、
答えに迷う場面もある。

2026年問題とは、
単なる制度変更ではない。

「これまでの延長」で運営できるのか、という問いである。

医療機器管理科という発想は、
組織を増やすことではない。

管理機能を可視化し、
責任体制を明確にし、
技術と経営を接続する。

それは、
人手不足を嘆く前にできること。
コスト削減を叫ぶ前に整えるべきこと。

変化の波は止められない。
だが、足元の設計は変えられる。

Why-T?

私たちは、
外部環境を理由にする前に、
内部構造を見直しているだろうか。

2026年を前に、
問うべきはそこかもしれない。

SFC修行を始めた。

― 戦略と構造の設計という視点 ―

SFC修行を始めた。

航空会社の上級会員資格を得るために、
一定のポイントを戦略的に積み上げる行為である。

一見すると、趣味の話に聞こえるかもしれない。
だが、やってみると分かる。

これは、構造のゲームだ。

限られた予算。
限られた時間。
限られた路線。

その中で、
どのルートを選ぶか。
どの便を組み合わせるか。
どこで乗り継ぐか。

単純な距離ではなく、
ポイント効率を最大化する設計。

資源配分の最適化である。

医療機器管理も同じだ。

限られた予算の中で、
どの機器を更新するか。
どの契約を見直すか。
どこに投資するか。

感情ではなく、構造で判断する。

SFC修行は、
偶然の積み重ねでは達成できない。

設計が必要だ。

ゴールを定め、
必要な数値を逆算し、
最短距離ではなく、最適経路を選ぶ。

それは、
経営の意思決定に似ている。

遊びの中にも、構造がある。

Why-T?

私たちは、
日常の中にある“設計”に
どれだけ気づいているだろうか。

年のはじまりに、設計を問う。

― 今年、何を変え、何を変えないか ―

新しい年が始まった。

年初は、目標を掲げる季節でもある。
売上、成果、成長。
数字や計画が並ぶ。

だが、その前に問い直したい。

今年、何を変えるのか。
そして、何を変えないのか。

組織は、変化を求められる。
しかし、すべてを動かす必要はない。

変えるべきは、
属人化した業務かもしれない。
曖昧な責任体制かもしれない。
数字と接続していない管理かもしれない。

一方で、
変えてはならないものもある。

安全を守る姿勢。
構造で考える視点。
問い続ける態度。

設計とは、
“動かす”ことと“据え置く”ことを
同時に決める作業である。

人を増やす前に、設計を整える。
感覚で動く前に、構造を描く。

一年の始まりは、
未来を描く時間であると同時に、
足元を見直す時間でもある。

Why-T?

私たちは本当に、
“変えるべきもの”を見極めているだろうか。

今年もまた、
問いから始めたい。