更新という意思決定。

― その医療機器は、本当に寿命か ―

「耐用年数を過ぎています。」

医療機器の更新理由として、よく使われる言葉だ。

確かに、年数はひとつの目安である。
しかし、それだけで更新を決めてよいのだろうか。

同じ年数を経過していても、
故障が多い機器もあれば、安定稼働している機器もある。

使用頻度はどうか。
修理履歴はどうか。
保守費用はどの程度か。
代替機の性能向上はどれほどか。

本来、更新とは
単なる“期限到来”ではなく、意思決定である。

にもかかわらず、
年数だけで判断する仕組みになっていないだろうか。

更新を先送りすれば、
突発故障のリスクは高まる。

早すぎる更新は、
限られた資金を圧迫する。

どちらも経営判断である。

医療機器は消耗品ではない。
病院の重要な資産である。

資産である以上、
投資と回収の視点が必要になる。

そのためには、

・稼働率の把握
・故障率の分析
・保守費用の推移
・将来の診療計画との整合

が可視化されていなければならない。

更新とは「壊れたから替える」ことではない。

「どう使い続けるか」を含めた設計である。

更新の議論は、
技術の話ではなく、経営の話だ。

Why-T?

私たちは、
“古い”という理由だけで、
本当に意思決定をしているだろうか。

人手不足は“構造”の問題である。

― 採用ではなく設計を変える ―

「人が足りない。」

医療現場で、最も頻繁に聞かれる言葉のひとつだ。

確かに、人材確保は容易ではない。
少子高齢化が進み、専門職の確保も年々難しくなっている。

しかし、本当に問題は“人数”なのだろうか。

同じ人数でも回る組織と、回らない組織がある。
その違いはどこにあるのか。

業務が整理されていない。
役割が定義されていない。
責任の所在が曖昧。
優先順位が共有されていない。

こうした状態では、
いくら人を増やしても、混乱は拡大するだけである。

人手不足は、単なる採用の問題ではない。
業務設計の問題である。

本来、専門職が担うべき業務と、
他職種に委ねられる業務が整理されているか。

属人化している業務はないか。
「何となく続いている作業」はないか。

業務の総量ではなく、構造を見直す。

誰がやるかではなく、
なぜその形になっているのかを問う。

設計が整えば、
同じ人数でも組織は変わる。

逆に、設計が曖昧なままでは、
どれだけ採用しても“足りない”という感覚は消えない。

人を探す前に、構造を見直す。

それは冷たい合理化ではない。
持続可能な医療を守るための選択である。

Why-T?

私たちは本当に、
「人が足りない」のか。
それとも「設計が足りない」のだろうか。