― 動かないことの意味 ―
灯台は、動かない。
嵐の中でも、
波が荒れても、
季節が変わっても。
自ら動くことはない。
それでも、船はその灯りを頼りに進む。
組織もまた、同じではないだろうか。
大きな変化を求める声は常にある。
もっと速く、もっと大胆に。
もっと成果を、もっと数字を。
だが、すべてを動かし続けることが
最善とは限らない。
設計の中には、
「動かさない部分」がある。
役割の定義。
責任体制。
判断基準。
更新のルール。
それらは頻繁に揺らぐべきものではない。
変化に耐えるためには、
変えない軸が必要だ。
灯台が動かないのは、
怠慢ではない。
そこに居続けるという意思だ。
今年、いくつかの設計を見直し、
小さな変更を重ねてきた。
だが同時に、
変えないと決めたものもある。
安全を守ること。
構造で考えること。
問い続けること。
動かないことは、
止まっていることではない。
位置を定めることだ。
12月26日。
一年の終わりに、あらためて感謝を伝えたい。
支えてくださった方々へ。
ともに議論してくださった現場の皆さまへ。
そして、問いに向き合い続けてくれたすべての人へ。
灯りは一人では守れない。
来年もまた、
静かに、しかし確かに照らし続けたい。
Why-T?
私たちは、
動き続けることばかりを価値にしていないだろうか。
ときに、動かないことこそが、
最も強い意思なのかもしれない。